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嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫)
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世界はひとつ、と思わせてくれる
(2008-12-14)
昨年だったか一昨年だったかに急逝された米原万里さんの実体験記。
米原さんはロシア語の同時通訳をやっていた方。そして、この人の書く本はどれも人間の真実を衝いていて、もの悲しくも温かく、時にはセクシーで、時には爆笑を誘う。
この本の粗筋を書く能力は僕にはないので、とにかく心ある皆さんに読んで頂きたい。
この本には、ロシア、ルーマニア、日本、イギリス、ドイツ、アメリカ、ユダヤ、イスラエル、ユーゴスラビア等々インターナショナル満載である。
そして、読んでいてわかるのは、資本主義にも共産主義にもそれぞれ明暗があり、一人の人間に弱さも醜さも、強さも美しさもあるということ。それはつまり人間の真実である。
今、未曾有の経済危機なんていうけど、くだらない。今回の件の本質は一部の特権的な人や国(アメリカ)が宴のあとを僕らもたざる者、弱き者にツケ回ししようとしているだけのこと。
経済なんて、永遠に成長できるはずはないのだから、今回の件を機に贅沢をやめればいいだけのこと。その方が地球を長持ちさせてくれる。
結局、いつの世の中にもどこの世界にも悪漢はいるし、志士もいる。しかし残念なことは、今の世の中の方が悪漢も甘いマスクをし、志士はその数が減り深く潜行するようになり、そして志士たちを理解し見つめつづける米原万里さんやこの本で描かれているリッツア、アーニャ、ヤスミンカのような大人びた少女達もきっと減っているだろう事だ。
世界は今も昔もひとつ。願わくばこの本の時代よりも、更に親しくひとつとなることを。
民族・人種の理解に
(2008-09-07)
米原万里さんの貴重な体験、経験をもとに、日本人にとっては、
苦手な多民族、人種の理解の一助となる貴重な一冊である。
東欧の共産主義社会で生活したというだけでも、日本人にとって
は、貴重な経験であるが、その東欧プラハのソビエト学校で学んだ
友人たちの、その後の話が軸である。
亡命ギリシア人、ユダヤ系ルーマニア人、セルビア系ユーゴスラビア人
それぞれの、その後の人生は数奇であるが、ユダヤ人や、ユーゴスラビア
の人々を理解する上でも貴重な体験集でもある。
発見したのだが、
(2008-09-03)
各話のタイトルが青赤白のロシア国旗の色になっている。物語としても十分興味深く読めるが、社会主義体制論としてもとても秀逸である。勉強になりました。リッツァ、アーニャ、そしてとくにヤースナ、彼女たちはぶじに生活できているのだろうか……と思い、ふと著者がすでに亡くなられていることが改めて意識され、むしょうに悲しくなった。
まっさらな自分になれる本。
(2008-07-24)
ソビエト学校に通っていた同級生に米原さんがその当時の回想を交えながら書いたエッセイ。
エッセイと言っても小説の様にドラマチックで米原さんの文章の上手さも際立っている本でした。
何故、アーニャが嘘をつかなければならなかったか、
そしてそれを真っ赤な真実として捉える米原さんの人間愛の深さに感動してしまいました。
私は政治のことは良く分かりませんが、それでも楽しく読めた本でした。
予備知識も要らないと思います。
友情や善意・過去の出来事を憎みそうになった時などに読んでみて下さい!
ぽろぽろそれらがはがれて、まっさらな自分になれるはずです。
政治に翻弄されながらも、それでも子供は育つ
(2008-06-27)
米原万里の人格形成史に色濃くある、現代社会主義政治史、中ソ論争、ハンガリー動乱、プラハの春、ベルリンの壁の崩壊、ソビエト連邦の解体の歴史を背景に、日本共産党を代表し世界の共産党連絡機関に勤務する父親とともにプラハの春前後のに在住した社会主義国体験を出発点とする物語です。
おしゃまな少女だった米原による、プラハのソビエト立学校で社会主義圏や各国共産党関係の子供たちと出会いぶつかり会った個性的な友だちの何処にでもいるおませな日常の風景と、友たちの個性の背景に隠れている国際共産主義運動内の各国共産党の序列と党内闘争、更に深くある各民族の歴史と宗教の理解が長い時を経て了解されていく過程が、スリリングに展開されていく。
それぞれの友たちが歴史に翻弄されながら幼年時の面影を残しあるいは残さず、激動を生き抜いた個人史が、米原万里により描かれる。
政治と距離を置くことが出来ない時代・空間に迷い込み翻弄されながらも、生きる残る人々の逞しさも垣間見える。
